「にごりえ」樋口一葉原作。ちょっと前に録画しておいたもの。
いわゆる男女の愛欲ものの結末は、ほとんどが死だ。
これ以上に悲惨でドラマチックな結末はなさそうだが、
”死”という絶対的な終わり方は、
ある意味すべてが解決される
都合の良いクライマックスとは言えないだろうか。
しかし、現実には人はそう簡単には死なないし
おさまりの良い結末を得ることも出来ずに、
無常に進んでゆく運命にただ翻弄されてゆくのが常だ。
高校生の頃みた映画「ホテル・ニューハンプシャー」で、
出てきたセリフで今でも時々思い出すものがある。
You have to keep passing open window.
”開いた窓は見過ごしさない・・・”
”開いた窓”ってのは、まぁ言ってみれば解決しようのない問題みたいなもの。
どうしようもない問題は時には見ないふりをして
進んだほうがいい場合もあるということ、
必要以上に囚われると、結局はその窓から飛び降りることになるぞ
ということを言っているんだったと思う。
つまり、問題の解決なんてものよりも人間には”生きる”ということが、
常に優先されてしかるべきだというメッセージにも取れる言葉だ。
「にごりえ」のような映画の結末を観る度に、
多少強引な言い方だが、恰好の良い”死”と不恰好な”生”の
二つの運命についてボクは考えさせられるのだ。

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